レーザー白内障手術の費用はどれくらいかかりますか?

Q:レーザー白内障手術で白内障を治療したいと考えているのですが、手術費用が心配です。健康保険は適用されないと聞きましたが、高額になるのでしょうか?

 

A:多焦点眼内レンズを入れるレーザー白内障手術は、自費診療で公的保険の対象外となります。

当院のでは3焦点の多焦点眼内レンズをおすすめしていますが、レーザー白内障手術で挿入すると片目88万円です。

3焦点の多焦点眼内レンズには乱視矯正用のレンズもあり、乱視用を入れると片目93万円になります。

白内障手術は両目とも行うのが基本ですから、費用はその2倍とお考えください。


Q:多焦点眼内レンズは選定療養という制度があるそうですが、レーザー白内障手術では利用できないのですか?

 

A:レーザー白内障手術は選定療養の対象になりません。

多焦点眼内レンズを使用したレーザー白内障手術も選定医療の対象にはなりません。

レーザー白内障手術は自由診療になります。


Q:レーザー白内障手術で多焦点眼内レンズを入れた場合とマニュアル手術の場合では、どんな違いがあるのですか?

 

A:レーザー白内障手術では、基本的にメスを使わず光の一種であるレーザーで組織を切開します。

手術はすべてコンピューター制御された中で行うので、非常に精度の高い手術を行うことができます。

一方マニュアル手術は、医師が金属のメスで組織を切るので、どうしても術者の技術や経験値に左右されることになります。

例えば白内障手術の中で重要な工程の一つに水晶体前嚢切開があります。

これは水晶体の前側の部分を切開して濁った水晶体を取り出し、代わりに眼内レンズを挿入するための窓を作るために行います。

レーザー白内障手術では、まず赤外線を用いた画像計測装置で角膜の前面から水晶体の後面まで目の構造を正確に計測します。

そして切開の位置や大きさを高い精度で設定したうえで、レーザーで切開します。

ですから切る部分の半径をミクロン単位で設定でき、切開の中心を角膜の真ん中の正確に合わせて理想的な円形に切開することが可能です。

レーザー白内障手術では眼内レンズを正中に固定しやすくなり、眼内レンズのずれや傾きが少なくなります。

マニュアル手術の場合は、医師が顕微鏡で確認しながら針やピンセットなどの器具を使って水晶体前嚢を切開します。

この方法だと医師の目測で進めることになるので、完全な円形に切開できず、位置も中心にならないことがあります。

水晶体前嚢は膨らみのある薄い膜なので、その上で完全な真円に切ることは経験豊かな医師にも難易度の高い工程です。

マニュアル手術とレーザー白内障手術では、ちょうどフリーハンドで円を描く場合と丸いスタンプを押していく場合ほどの違いがあります。

多焦点眼内レンズは単焦点眼内レンズに比べて複雑な仕組みになっているので、正確に挿入されないと、術後の視機能に問題がでるおそれもありますし、合併症のリスクも高まります。

そのため当院では多焦点眼内レンズの手術は基本的にレーザー白内障手術で行っています。


Q:レーザー白内障手術が高精度であることはよくわかりました。他にもレーザー白内障手術のメリットはありますか?

 

A:レーザー白内障手術は、マニュアル手術よりも目の組織への負担が少なくなります。

白内障手術では濁った水晶体を砕くために超音波を使用するのですが、超音波の量が多いと角膜内皮細胞にダメージをあたえる恐れがあります。

レーザー白内障手術はマニュアル手術よりも少ない量の超音波で水晶体を破砕することができます。

また白内障が進行した重症例では水晶体が濁っているだけでなく硬くなっていることもあるのですが、そんな場合も超音波使用量を減らすことができます。


Q:費用は高額になりますが、やはりレーザー白内障手術にはメリットが多いのですね。

 

自由診療で多焦点眼内レンズをレーザー白内障手術で入れた場合、確定申告の医療費控除の対象にはなりますか?

A:はい、レーザー白内障手術の費用は医療費控除の対象になるので、詳しくは税理士や税務署にお尋ねください。

レーザー白内障手術の費用は高額ですが、白内障の手術は一生に一度ですし、手術をやり直すようなことも基本的にはありません。

レーザー白内障手術のメリットや特徴、マニュアル手術との違いをよく理解したうえで、納得できる手術方法を選んでいただきたいと思います。

レーザー白内障手術にはどんなメリットがありますか?

Q:白内障手術は、以前は医師の手技によって行われるマニュアル手術が中心だったそうですが、最近はレーザー手術が増えていると聞きました。レーザー手術は、従来の手術方法とどのように違うのでしょうか?

 

A:レーザー白内障手術のメリットは、患者さんの目に少ない負担で非常に精度が高い手術を行えることです。

また医師の手技によるマニュアル手術よりも正確で安定した手術です。

従来の白内障手術では、医師が金属製のメスを使用して組織を切開していました。

レーザー白内障手術では、メスの代わりに光の一種であるレーザーで切開を行います。

また手術のために必要な目の構造の計測や解析もすべてコンピューター制御です。

白内障手術でのレーザー照射は、水晶体前嚢切開、水晶体核破砕、角膜切開の順番で行います。


Q:それぞれの工程でレーザー手術だとどんなメリットがあるのですか?

 

A:まず水晶体前嚢切開ですが、これは水晶体の前側の部分である前嚢を円形に切開して、濁った水晶体を取り出して眼内レンズを挿入する窓を作るために行います。

水晶体前嚢切開は白内障手術の中で最も難しいとされているのですが、従来は眼科医が顕微鏡で確認しながら行っていました。

それではどうしても眼科医の目測や経験値に頼るため、不完全状態の切開になることも珍しくありませんでした。

レーザー手術なら水晶体の中心で真円に前嚢を切開できるため、眼内レンズを理想の位置に正確に固定することができます。

また重症の白内障場合は水晶体が真っ白になっている場合もあり、マニュアル手術では前嚢が見えにくくなるため正確な切開はさらに困難になります。

レーザー白内障手術なら目の構造を立体的に画像解析しそのデータをもとに切開を行うので、進行した白内障の場合でも精度の高い手術が可能です。

次に、レーザー照射で水晶体の中心部分を細かく砕く水晶体核破砕を行います。

砕いた水晶体は後で超音波を使って吸引するのですが、超音波をたくさん使うと角膜の最も内側にある角膜内皮細胞にダメージをあたえてしまうおそれがあります。

角膜内皮細胞は一度傷つくと再生できないので、白内障手術での超音波使用量はできるだけ少なくする必要があります。

レーザーを使用した場合は使用しない場合と比べて、超音波の使用量と使用時間を減らすことができるので、超音波による目の組織へのダメージを軽減することができます。

また白内障がかなり進行し水晶体が硬くなっている場合でも、レーザーなら超音波の使用量を減らせるというメリットもあります。

水晶体の破砕が終わったら、目の一番外側にある角膜を切開します。


Q:外側にある角膜を内側の組織よりも後に切開できるのですか?

 

A:これもレーザー白内障手術の大きなメリットの1つです。

レーザーは金属のメスと組織を切るメカニズムが全く違い、組織に直接触れずに切開することができます。

そして外側を切らずに内側だけを切ることもできるため、従来の手術では最初に行っていた角膜切開が水晶体前嚢切開の後になります。

角膜を切ると眼球の内部の圧が下がり不安定な状態になるため水晶体前嚢切開を正確に行うことができませんでした。

レーザー白内障手術なら角膜の切開は後になるので、目の圧を保ったまま手術を行うことができます。

Q:マニュアル手術とレーザー手術はかなり違うのですね。私は白内障手術で多焦点眼内レンズを入れようと思っているのですが、多焦点眼内レンズにはどちらの手術法の方が向いているでしょうか?

 

A:多焦点眼内レンズを考えていらっしゃる方には、ぜひレーザー白内障手術を選んでいただきたいと思います。

私の医院でも多焦点眼内レンズによる白内障手術には基本的にレーザー白内障手術を行っています。

白内障手術で挿入する眼内レンズは、生涯患者さんの新しい目となって働き続けるものです。

その眼内レンズに傾きやズレがあると、術後の視機能に悪影響をおよぼす可能性があります。

特に近くにも遠くにも広い範囲で焦点が合う多焦点眼内レンズは、外から目の中に入ってくる光を振り分けるように設計されていて、一定の範囲にだけピントが合う単焦点眼内レンズよりも複雑な仕組みです。

そのため多焦点眼内レンズの傾きや位置決めは非常に重要になります。

レーザー白内障手術は精度の高い切開ができるので、多焦点眼内レンズをより正確な位置に挿入し固定することが可能です。

白内障手術は、眼内レンズの種類だけに注目しがちですが、目にかかる負担や合併症のリスク、術後の見え方などを考えると、手術方法も非常に重要です。

当院は日本で初めてフェムトセカンドレーザー手術に成功し、2022年3月までに4174症例のフェムトセカンドレーザー手術を行っています(フェムトとは1000兆分の1をあらわす単位。セカンドは秒ですから、フェムトセカンドレーザーとは1000兆分の1秒の速さで照射するレーザーです)。

 

白内障手術の年齢は、何歳頃が適切でしょうか?

Q:白内障手術を受けるのは、何歳頃がいいのでしょうか?実際に手術を受けている人はどのくらいの年齢の方が多いのですか?

 

A:白内障手術の患者さんは60〜70歳代が多いのですが、すべての方にとってそれがベストのタイミングというわけではありません。

白内障は目の中でレンズの役割を果たしている水晶体が濁る病気です。

これは水晶体を構成しているタンパク質が加齢などにより変性することで起こります。

つまり加齢にともなう現象なので、一部の人だけでなくすべての人に起こります。

発症する年齢には個人差がありますが、加齢性白内障は中年以上であればいつ発症しても不思議ではありません。

そして60代になると約6割が白内障になっていると言われています。

また数は少ないのですが、アトピー性皮膚炎や多量のステロイド剤の使用、糖尿病、外傷などが原因で、比較的若い方でも白内障を発症することがあります。

その場合は目の状態に合わせて、適切な時期に手術を行うことになります。


Q:高齢者の病気という印象がある白内障ですが、50歳頃から発症している可能性があるのですね。白内障になるとどのような自覚症状が現れるのでしょうか?

 

A:白内障の自覚症状にはさまざまなものがありますが、患者さんからよくお聞きするのはまぶしさです。

例えばベランダで洗濯した白いシーツを干そうと広げたら目がくらむほどまぶしかった。

対向車のライトがとてもまぶしく感じて夜間の運転がしにくくなった。

まぶしさが気になってゴルフ場でプレーしにくくなった。

そんな違和感を感じるようになったら白内障を発症している可能性があります。

白内障になると変性したタンパク質が水晶体の中に蓄積していきますが、初期の頃は変性して濁っている部分と正常で透明な部分が混在していて、水晶体はまだらな状態になっています。

そこを光が通ると乱反射するので、強いまぶしさを感じるようになるのです。

その他にも代表的な症状として視力低下がありますが、白内障ではなく老眼のせいだと思っていらっしゃる方が少なくありません。


Q:白内障の見えにくさと老眼による見えにくさは、どう違うのですか?

 

A:見え方が変化して不便になっても、その原因が老眼にあるのか白内障なのか、もしくは他の目の病気のためなのかご自分で判断することは難しいです。

見えにくさを感じるようになったら早めに眼科を受診しましょう。

ただし老眼の症状は一般的に40代から始まり、60歳頃で止まります。

ですから60歳を過ぎてからさらに見えにくくなったという場合は老眼が進んだのではなく、白内障が原因の場合があります。

見えにくくなったので老眼鏡を作りかえたけれどあまりよく見えないという方も多いです。

この場合も老眼鏡の度数が合っていないのではなく、白内障により水晶体が濁っているためと考えられます。

年だから、老眼だから仕方ないと自己判断せず、眼科を受診して白内障の検査を受けることをおすすめします。


Q:白内障になっていても気づいていないケースも多いのですね。では白内障の手術は何歳くらいまで受けられるのでしょうか? 年齢制限はありますか?

 

A:白内障手術に年齢制限はありません。

手術自体は一般的に15分から20分程度で終わりますし、入院の必要もなく日帰りで行えるので、ご高齢の方にも特に負担になる心配はないでしょう。

しかし高齢になればなるほど白内障は進行し重症化しています。

水晶体が濁っているだけでなく硬化が進んでしまう場合もあります。

白内障が進行し水晶体が硬くなっていると、手術で目に負担がかかりやすくなり、水晶体を取り出すための傷口も大きくなるので、術後の感染症のリスクも高まります。

他の病気と同じように白内障も早期発見、早期治療が基本です。


Q:私は以前レーシック手術を受けたことがあるのですが、白内障の手術は受けられるでしょうか?

 

A:レーシック手術を受けている方も基本的には白内障手術を受けることができます。

レーシック手術を受けている目は、角膜の厚みをレーザーで削るなどの処置を受けています。

一般的に白内障手術で挿入する眼内レンズの度数は角膜の厚みが一定であることを前提に計算するので、レーシックを受けた患者さんの場合はそのままでは眼内レンズの度数を正確に設定することができません。

レーシック手術を受けた目に適切な眼内レンズを選ぶための専門的知識がある医療機関はまだ少ないので、白内障手術を受ける病院を選ぶときにはレーシック後の白内障手術の実績がある病院かどうかを確認するようにしてください。

当院ではレーシック手術を受けた方にも多少点眼内レンズの手術を多数行っております。

白内障手術を受けた後、アルコールはいつから飲めますか?

Q:白内障手術は15分程度で終わり入院の必要もないそうですが、術後どのくらい経てばアルコールを飲んでも大丈夫でしょうか。その他にも術後の生活で注意することはありますか?

 

A:術後1週間は、飲酒を控えてください。

白内障手術は傷口を作っているので、細菌に感染する恐れが一番怖いです。

アルコールを飲むと細菌感染のリスクが上がると考えられるため、1週間は控えてください。

白内障手術が終わってほっとして乾杯したくなる方も多いでしょう。

食事制限等はありませんので、手術当日から何を召し上がっていただいても問題ありません。


Q:入浴やシャワーなどはどうでしょうか?

 

A:首から下のシャワーであれば手術当日あるいは翌日から可能ですが、洗髪や洗顔は1週間程度避けてください。

それはお湯を浴びることで目に細菌が入ってしまうおそれがあるためです。

白内障の手術後、注意が必要な合併症の1つに細菌性眼内炎という感染症があります。

これは手術でできた傷口から細菌が眼内に入り強い炎症を起こすものです。

術後1週間以内はまだ完全に傷が閉じていないので、不必要に目を触ったり、濡らしたりすると、細菌の侵入や増殖が起きやすくなります。

細菌性眼内炎にかかると視力の急激な低下や目の痛み、充血などが起き、重症になると失明につながる場合もあります。

手術前と手術後には細菌性眼内炎を防ぐ抗生物質の点眼薬が処方されますから、きちんと使いましょう。

また眼帯や保護メガネなども医師の指示をまもって使用してください。

細菌性眼内炎は確かに怖い合併症ですが、発症は非常にまれですし、感染対策をきちんと行なっていればかかるリスクはほとんどないので、心配はいりません。

現在では小さな傷口で白内障手術が行えるようになったため、感染のおそれも少なくなりました。

以前は角膜の傷口が5~6mm程度になることが一般的で、術後の感染の早期発見のため白内障手術は現在のような日帰りではなく入院が必要となっていました。

今では約半分の大きさの傷口で手術が可能となり、当院では2.3mm程度の切開で手術を行っています。


Q:化粧についてはどうでしょうか? 手術後どのくらい経ったら化粧をしても大丈夫ですか?

 

A:お化粧も術後1週間程度は控えてください。

お化粧するとどうしても粉などが目の中に入りやすくなりますし、目のまわりに触れることも増えるので、細菌が入りやすくなり目に負担がかかります。

仕事や外出などで人に会うので早くお化粧をしたいという患者さんは少なくないのですが、白内障手術でできた傷口がふさがる約1週間後までは避けてください。


Q:他に術後の生活で気をつけることはありますか?

 

A:手術当日は、そのまま帰宅しゆっくりお休みください。

翌日からは簡単な家事や近所へのお買い物や散歩程度などならいつもと同じようにしていただいて構いません。

しかし重いものを持つような家事や仕事、汗ばむようなスポーツなどは、傷口に悪影響を及ぼす可能性があるので、1週間程度は避けてください。

お仕事はデスクワークでしたら、3日後から再開していただいてかまいません。

車の運転についてもよく患者さんに質問されるのですが、多焦点眼内レンズの術後は、1週間経過してからにしてください。

多焦点眼内レンズの手術直後は、車、オートバイなどのヘッドライトのまわりに光の輪が見えるハローという現象や、街の灯りがにじんで見えるグレアという現象が起きることがあります。

ハローやグレアは、白内障手術で挿入した眼内レンズの影響により起こるのですが、一定の距離にだけピントが合う単焦点眼内レンズより、広い範囲に焦点が合う多焦点眼内レンズの方が起こりやすい傾向があります。

しかしハローもグレアも手術後時間が経つにしたがって徐々に軽減し、個人差はありますが3か月から1年ほどであまり気にならなくなる方がほとんどです。

また現在多くの白内障手術で使われているパンオプティクスという3焦点の多焦点眼内レンズは、ハロー・グレアが発生しにくいように工夫されていますので、夜間に車を運転することが多い方には特におすすめします。

濁った水晶体を取り出して人工の眼内レンズに置き換える白内障手術では傷口ができるので、アルコールや入浴、シャワー、洗顔、洗髪、お化粧など、傷口がふさがるまでは控えていただく必要があります。

当院では術後の過ごし方や注意点などもお一人お一人のライフスタイルやお仕事の内容などに合わせてアドバイスしています。

白内障手術で遠近両用の眼内レンズを入れることはできますか?

Q:白内障手術の術後の見え方は、入れる眼内レンズによって変わると聞きました。せっかく手術を受けるわけですから遠くも近くも見えるようになりたいと考えています。遠近両用のコンタクトレンズやメガネを使った時のように見える遠近両用の眼内レンズはあるのでしょうか。

 

A:はい、それが多焦点眼内レンズです。

多焦点眼内レンズは、遠くにも近くにもピントが合うように設計された遠近両用レンズです。

昔は白内障手術で入れるのは1つの距離だけに焦点が合う単焦点眼内レンズでしたが、日本国内でも2007年に多焦点眼内レンズが承認されました。

術後の日常生活を快適にするために、近くから遠くまで広い範囲に焦点が合うように設計されています。

遠近両用のコンタクトレンズやメガネと多焦点眼内レンズは、違う構造になっています。

前者はレンズの位置によって焦点距離を変えているだけですが、多焦点眼内レンズはモノを見る目の位置にかかわらず、手元と遠くを両方同時にみることができます。


Q:遠近両用の多焦点眼内レンズを挿入した場合とそれ以外の眼内レンズでは、見え方はかなり変わるのでしょうか?

 

A:多焦点眼内レンズを選ぶか単焦点眼内レンズを選ぶかで、焦点が合う範囲が変わるので術後の見え方は大きく異なります。

私たちが物を見ることができるのは、光が角膜と水晶体を通過して網膜に届いているためです。

この時水晶体によっての屈折率を調整して網膜に焦点を合わせています。

白内障は主に加齢が原因でこの水晶体が濁る病気で、手術では濁った水晶体を取り除き人工の水晶体である眼内レンズに置き換えます。

きれいな眼内レンズを挿入するので、白内障による目のかすみなどは改善され視界はクリアになります。

単焦点眼内レンズは焦点が合う距離が1か所なので、ピントを遠くか近くのどこに合わせるかを選ぶ必要があります。

一般的には、遠方に焦点を合わせる人が多いので、近くを見る時には老眼鏡が必要になります。

遠くを見る場合は老眼鏡を外し、手元の本などを読むにはまた老眼鏡をかけるというわずらわしい動作は必要になります。

そんな不便さを改善したのが多焦点眼内レンズです。

多焦点眼内レンズは入ってくる光を遠くと近くに分散することで、広い範囲の距離にピントが合う仕組みになっています。

そのため、日常生活でメガネをほとんど使わず裸眼で過ごすことができるようになります。


Q:メガネがいらなくなるのはいいですね。白内障になる前から老眼で不便を感じていました。多焦点眼内レンズを入れれば白内障と一緒に老眼も治せるのですね?

 

A:「白内障手術で多焦点眼内レンズを入れれば、白内障と一緒に老眼も近視も治せますよ」と私はいつも患者さんにお話しています。

また多焦点眼内レンズは乱視矯正用のトーリックレンズもあるので、乱視も同時に改善することができます。

多焦点眼内レンズの手術は目の度数を正確に計測する必要があるので、専用の検査機器を導入している医療機関で手術を受けるようにしてください。

また多焦点眼内レンズには、遠くと近くにピントが合う2焦点眼内レンズと、遠くと近くに加えて中間距離にも焦点が合う3焦点眼内レンズがあります。

中間距離とは目の前から約60〜80センチの位置で、日常生活の中では意外に見ることが多い距離です。

手元と遠くも見える生活を手に入れたい人は多焦点眼内レンズを選びましょう。

白内障手術は、多焦点眼内レンズの手術をたくさん行なっている眼科を受診することをおすすめします。


Q:多焦点眼内レンズはメリットがたくさんあるのですね。気になるのは手術費用です。健康保険は適用されますか? 自由診療になるのでしょうか?

 

A:2020年3月まで先進医療システムがあって、多焦点眼内レンズの手術に対して民間の先進医療特約が使えました。今はそのシステムが終わってしまったのでつかえません。

国民健康保険による白内障は医師の手技によるマニュアル手術となります。

多焦点眼内レンズにはレーザー手術が適しているのですが、レーザー手術は選定療養の対象外となります。

ですからレーザー手術で多焦点眼内レンズを入れる白内障手術を希望される場合は、自由診療となります。

眼内レンズの特徴に加え、マニュアル手術とレーザー手術の違いについてもよく説明を受けた上で、手術方法と費用について検討していただくようにおすすめします。

当院ではお一人お一人の目の状態や生活スタイルなどに合わせて、眼内レンズをご提案しています。

また専門の検査機器も導入し、レーザー手術による多焦点眼内レンズの白内障手術の実績も豊富です。

どうぞお気軽にご相談ください。

 

多焦点眼内レンズの費用は?

Q:多焦点眼内レンズを使った白内障手術の費用はいくらですか?

 

A:大宮七里眼科は2012年6月に日本に先駆けてフェムトセカンドレーザー白内障手術を開始しました。多焦点眼内レンズを正確な位置に固定するにはフェムトセカンドレーザー白内障手術が非常に有用なので、現在では多焦点眼内レンズによる白内障手術は基本的にフェムトセカンドレーザー白内障手術によって行っています。
フェムトセカンドレーザー白内障手術は保険外診療であり、自由診療となります。
大宮七里眼科にて多焦点眼内レンズを使用したフェムトセカンドレーザー白内障手術の手術費用は片目88万円(税込)です。また乱視用の多焦点眼内レンズを使用したフェムトセカンドレーザー白内障手術は片目93万円(税込)です。(価格は全て2022年5月現在)


Q:保険診療で老眼も治す治療はないのですか?

 

A:保険診療による白内障手術で使えるのは、単焦点眼内レンズのみです。単焦点眼内レンズは、ピントが合う焦点距離が1か所だけなので、遠くか近くのどこか一箇所にしかピントが合いません。それ以外の距離にはピントが合わないため、メガネが必要になります。遠くにピントを合わせることが一般的なので、多くの場合、術後は手元を見るときは老眼鏡が必要になります。つまり単焦点眼内レンズによる白内障手術では、老眼の状態は治りません。


Q:フェムトセカンドレーザー白内障手術手術(レーザー白内障手術)は、従来の白内障手術となにが違うのですか?

 

A:白内障手術には、医師が目測で判断してメスやピンセットなどを使って切開するマニュアル手術と、最先端機器をフェムトセカンドレーザー白内障手術手術(レーザー白内障手術)の2種類あります。

私が2012年に日本に先駆けて開始したフェムトセカンドレーザー手術では、フェムトセカンドレーザーという光を使ってミクロン単位で眼球の組織を非常に精密に切開することができます。
「フェムト」は1000兆分の1を表す単位で、「セカンド」は秒のことです。つまり1000兆分の1秒の短時間の単位でレーザーを照射するのが特徴です。
レーザー照射は短時間であるほど正確な切開や加工が可能で、しかも強いエネルギーを持ちます。従ってフェムトセカンドレーザー白内障手術では、非常に精密に手術を行うことができます。
眼内レンズ挿入や水晶体の内容を除去するための窓となる前嚢切開、水晶体を細かくする砕いて超音波使用量を減らすことのできる水晶体破砕、角膜を切開して超音波乳化吸引術の機械や眼内レンズを挿入する傷口を作る角膜切開の3つの工程をレーザー機械を使用して行宇野で、マニュアル手術に比べて眼への負担は軽くなり、眼内レンズの偏位などのリスクを減らすことができます。
詳しくはhttps://nanasatoeye.com/laser/を参照してください。

多焦点眼内レンズを使用するには、眼内レンズの位置が正しく挿入されやすくなり、手術後の眼内レンズの傾きも少ないフェムトセカンドレーザー手術が最適と考えられています。
(Intraocular lens tilt and decentration measured by Scheimpflug camera following manual or femtosecond laser-created continuous circular capsulotomy, Kinga Kránitz et al, Refract Surg. 2012 Apr;28(4):259-63. doi: 10.3928/1081597X-20120309-01.)
従って、大宮七里眼科では多焦点眼内レンズを使用した白内障手術では基本的にフェムトセカンドレーザー白内障手術で行っています。


Q:最初は単焦点レンズを入れて、不便を感じたら多焦点レンズに入れ替えることはできますか?

 

A:一度挿入した眼内レンズを取り出して交換することは技術的には可能なのですが、眼内の組織にダメージを与えるリスクがあるので、基本的には行いません。眼内レンズはまわりの組織に癒着することで固定されます。しかし取り出すとなるとその癒着をはがさなければならず、大きな合併症につながる可能性があります。またレンズを入れ替える際には最初の手術より角膜を大きく切開するので、眼に負担がかかってしまいます。

実際当院にも、単焦点眼内レンズの交換を希望される患者さんが受診されますが、リスクをご説明して、よほどの理由がない限りレンズの入れ替えは行うべきではないとお話しています。ですから白内障の手術は基本的に一生で片目につき1回だけとお考えください。確かに一度に支払う医療費は高額ですが、その後はメンテナンス等も必要ありません。生涯あなたの目となって働いてくれるレンズですから、メリットを充分に理解した上で眼内レンズを選択していただきたいと思います。


Q:多焦点レンズを使用したフェムトセカンドレーザー白内障手術は、医療費控除になりますか? また医療保険の給付金などは請求できますか?

 

A:医療費控除については詳しくは税理士や税務署にご相談ください。一般的には自由診療でも白内障手術は控除対象になる場合があり、その場合は医療費控除を申告すれば税負担をより大きく軽減することができます。 また当院は遠方から受診される患者さんもおられますが、通院にかかる交通費なども医療費に加えて申告することができます。
また、民間の医療保険については、手術給付金などが請求できる場合があります。
ただし手術給付金は手術にかかる費用のごく一部であり、多焦点レンズを使用したフェムトセカンドレーザー白内障手術の全額が保険で賄うことができるということはありません。
また先進医療に関わる民間の保険については、2020年3月に多焦点眼内レンズを使用した白内障手術は先進医療の対象から外れましたのでご注意ください。
もちろん加入している健康保険によって異なりますので、保険会社にお問い合わせください。

老眼は単焦点レンズでは治療できませんか?

Q:老眼は単焦点レンズでは治療できませんか?

 

A:公的保険(国民健康保険など)による白内障手術では単焦点眼内レンズしか使えません。単焦点眼内レンズを使用した手術では、遠くか手元か、少なくともどちらかでほぼ必ずメガネが必要になります。
単焦点レンズは、一定の距離にだけピントが合うレンズです。遠距離にピントを合わせると手元の文字を見るときにほぼ必ずメガネをかけなければなりません。 手元用のメガネをかけているときには遠くは見えませんので、遠くを見るときにはメガネを外さなければいけません。
つまり単焦点レンズでは老眼の治療ができません。それどころか、老眼になる前の若い方が白内障になった場合、単焦点レンズによる手術をすると老眼になったのと同じ状態になってしまいます。
したがって若い方が白内障になってしまい、手術を受けなければいけない場合には強く多焦点眼内レンズでの手術をお勧めします。


Q:それは不便ですね。裸眼で新聞や本も読めるようになる眼内レンズはありませんか?

 

A:多焦点眼内レンズなら複数の距離にピントを合わせることができるので、ほとんどの症例で老眼鏡などのメガネが必要なくなります。
日常生活では、人は常に遠方や手元、そして中間距離に目の焦点を切り替え続けなければいけません。
家の中でコンピューターを見ながら書類を見る、テレビを見ながらスマホを見るなどです。

例えば旅行に出たとき、単焦点眼内レンズでの手術の場合には遠くの景色ははっきり見えたとしても、飛行機のチケットを確認するにはバッグからいちいち老眼鏡を取り出さなければなりません。
眺めのいいレストランに入ってもメニューを見るにはやはり老眼鏡をかけなければいけません。


Q:単焦点眼内レンズでもメガネをかければ多焦点眼内レンズと同じように見えるようになりますか? 私は眼鏡をかけるのが好きなので単焦点眼内レンズによる白内障手術でいいと思っています。単焦点眼内レンズでもメガネをかければ多焦点レンズと同じように見えますよね?

 

まずは答えとして、単焦点眼内レンズでメガネをかければ多焦点眼内レンズと同じように見えるわけではありません。
ここは絶対に誤解をして頂きたくないポイントです。
単焦点眼内レンズでは絶対に見えず、多焦点眼内レンズでは見える場合があります。
例えば車を運転するときのカーナビを例にとります。
白内障手術で単焦点レンズを入れて遠くに焦点を合わせれば、多くの場合は信号や標識などは見えるようになります。しかし運転しながらカーナビを見ようとすると焦点が合わずぼやけてしまいます。かといってカーナビを見るために老眼鏡やルーペをかけると今度は遠くが見えなくなるので運転ができませんし、いちいちメガネを取り出してかける時間もありません。
そこで遠近両用メガネをかけても、カーナビは見えません。なぜなら遠近両用メガネは下の部分にだけ近距離に焦点を合っています。よって目線を落とさなければ、手元は見えません。
しかしカーナビはドライバーの視点を動かさずに見えるようにするために目線の高さにあるので、遠近両用メガネをかけもカーナビの高さでは焦点が合いません。
したがって単眼内レンズの場合には、遠近両用メガネをかけてもカーナビは読めません。
つまり単焦点眼内レンズは遠近両用のメガネをかけても、同じ目線の位置で遠くと手元の焦点を合わせることはできないので、限界があるのです。

それに対して多焦点眼内レンズではそれに対して目線を変えなくても、遠くから手元、中間距離にも焦点が合っているため車の運転の時にカーナビがとても見やすくなります。


Q:私は仕事ももうしていませんし、これといった趣味もありません。それでも多焦点眼内レンズ眼内レンズのメリットあるのでしょうか?

 

多焦点眼内レンズによる白内障手術は仕事をしていない方、運動などの趣味のない方、車の運転をしない方でも、日常生活上のさまざまな局面でたくさんのメリットを得ることができます。
誰でも日常生活の中ではさまざまな距離にピントを合わせ、そのピントの距離を切り替えています。台所仕事、部屋の掃除、テレビを見る、スマホを見る、スポーツをする、外を歩く、コンビニ行く、スーパーで買い物をする、選択をする、部屋の掃除をする、書類を見る、郵便を見る、パソコンを見るなど、人は誰でも数えきれないほどの作業を行っています。その中で、さまざま距離を見る必要があり、どれ一つを取ってもピントが一箇所で済む場合はほとんどありません。
多焦点眼内レンズはそのほとんどすべての距離に焦点を合わせ、作業の距離が変わっても瞬時にピントを合わせることができるので、誰にでも豊かな生活を送る手助けをしてくれるといえます。

単焦点レンズを多焦点レンズに変えてみたい

Q:すでに国民健康保険による白内障手術を受けて単焦点眼内レンズを入れました。その後多焦点眼内レンズについて知りました。再手術を受けて多焦点眼内レンズに入れ替えることはできますか?

 

A:白内障手術で使用する眼内レンズは一生使い続けることができます。言い換えれば、取り出して交換することは考えられていません。
また、いかななる手術も合併症のリスクを伴います。
これらの理由から、よほどのことがない限り眼内レンズを入れ替える手術を行うことはありません。
つまり眼内レンズは一度入れると一生使うことになるので、白内障手術をうける場合には事前に多焦点眼内レンズと単焦点眼内レンズの違いなど、手術の種類や方法の違いについて、よく調べて理解する必要があります。
特に眼内レンズについては多焦点眼内レンズによる白内障手術をご希望の場合には多焦点眼内レンズ手術を行っている眼科医と相談して決めていただきたいと思います。
もし今かかっている眼科クリニックが単焦点眼内レンズによる手術しか行なっていない場合は、多焦点眼内レンズの手術を多く行なっている眼科にも相談することをおすすめします。

また、白内障手術では手術の方法もクリニックによって異なります。従来は眼科医の目と手による方法(マニュアル手術)しかありませんでしたが、現在ではフェムトセカンドレーザー白内障手術という方法もあります。フェムトセカンドレーザー白内障手術はOCTという3次元の目の構造を解析する装置のデータを元に、レーザーによって眼球の内外の組織を正確に切開する方法です。
フェムトセカンドレーザー白内障手術については欧米では広く普及していますが、日本では行なっている病院はほとんどありません。
フェムトセカンドレーザー白内障手術についてもレーザー手術を行っている病院でメリットについて説明を聞いて、納得のいく方法を選択して手術に臨んでいただきたいと思います。


Q:多焦点眼内レンズがいいと聞いたことはありますが、私は高齢者なので不要なのではないかと思いますがいかがでしょうか?

 

A:当院を受診される患者さんの中にも、ごくまれですが「もう年だから、多焦点眼内レンズは…」と言われる方がいらっしゃいます。
しかし高齢者ほど家にいる時間が長くなります。
つまり遠くよりも手元を見る機会、時間が増えます。
多焦点眼内レンズは手元や中間距離をよりよく見えるようにするためのレンズですので、高齢者にも十分なメリットがあります。それに対して単焦点眼内レンズでは家の中で常に老眼鏡のような手元を見るためのメガネをかける必要があります。

また、生活環境やライフスタイルなどについてお話をうかがうと、高齢者の皆さんでも多趣味で活動的ですので、術後の便利さ、満足度を考えると多焦点眼内レンズがとてもよい選択肢だと思われる方が大半です。
もちろん若い方にも多焦点眼内レンズがよい選択肢の方が大半ですので、多焦点眼内レンズを選ぶことに関して、年齢は無関係です。


Q:多焦点眼内レンズにはどんなメリットがありますか?

 

A:多焦点眼内レンズは、遠距離、中距離、近距離の、ほとんどの距離に焦点が合いやすいレンズです。
単焦点眼内レンズを挿入した場合は、焦点が合う距離が1つなので、それ以外の場所はぼやけて見えてしまいメガネが必要になります。
例えば若い頃に視力が良くてメガネが全くいらない生活だった方が、単焦点眼内レンズによる白内障手術を受けた場合には、若かった頃のような見え方にはならず、ピントの合っていない距離をはっきり見るためのメガネが必要になります。
それに対して多焦点眼内レンズを使用した白内障手術では遠く、中間距離、近くの全ての距離に同時にピントが合うようになるのがメリットです。
多焦点眼内レンズによる白内障術後はほとんどの場合、メガネをかけることはほとんどなくなります。


Q:多焦点眼内レンズによる手術を受ければ老眼鏡もいらなくなりますか?

 

A:基本的に多焦点眼内レンズによる白内障手術ではメガネを要らなくすることをゴールにします。
多焦点眼内レンズは近くにも焦点を合わせられるので、術後は多くの場合が老眼鏡のようなメガネをかけなくても手元がはっきり見えるようになります。手術の前は文字が見にくくなって長時間の読書ができなくなったのが手術後は昔のように読書が楽しめるようになった、料理をするときの手元が見やすくなって助かったと多焦点眼内レンズを挿入した患者さんはおっしゃっています。家の中のゴミが見えやすくなって1日中掃除をしている、お化粧もしやすくなって外出の機会が増えた、ピアノやオルガンの楽譜が見えやすくなった、お裁縫ができるようになったという女性もいらっしゃいます。

多焦点眼内レンズには、2つの距離にピントが合う2焦点眼内レンズと3つにピントが合う3焦点眼内レンズやハイブリッド型多焦点レンズ(連続焦点型眼内レンズ)があります。2焦点の場合は遠方と近距離の二箇所にピントが合っていましたが、3焦点やハイブリッド型の場合はそれに加えて中間距離にもピントが合うよう改良されています。
中間距離は目の前から70センチほどの場所です。パソコンのモニター、カーナビ、台所仕事などはこの中間距離にあたります。
大宮七里眼科では2022年5月現在は全例に3焦点眼内レンズやハイブリッド型多焦点レンズ(連続焦点型眼内レンズ)を使用しています
ただし多焦点眼内レンズを使用しても100%メガネが不要になるとはいえず、低い可能性ではありますがメガネが必要になる場合もあります。


Q:私はほぼ毎日運転するので、3焦点のレンズを検討しようと思いますが、多焦点レンズのデメリットはありますか?

 

A:多焦点眼内レンズによる手術の直後は、夜間の車のライトのまわりに光の輪が見えるハローや、光がにじんで見えるグレアという現象を自覚することがあります。
ハローやグリアの感じ方には個人差があり、気になる方もいますが、まったく気にならない方もいます。
しかし多くの場合は手術後3か月から1年ほどでほとんど意識しなくなるレベルまで適応することが多いと言われており、夜間の車の運転にもほとんどの場合も支障はありません。

また、多焦点眼内レンズでは暗所でのコントラスト感度がごくわずか単焦点眼内レンズよりも劣ると言われています。ただし明所でのコントラスト感度はほぼ同等ですので、日常生活で支障のある場合はほとんどありません。
またこれは単焦点眼内レンズのピントの合っている距離だけでの比較の話ですので、単焦点眼内レンズでピントの合っていない距離ではかなりぼやけて見えることに変わりはありません。

眼内レンズの種類や特徴を教えてください

 

Q:白内障手術で入れる眼内レンズには、どんな種類がありますか?

 

A:眼内レンズには、大きく分けると単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズの2種類があります。
そして多焦点眼内レンズにはEDOFレンズ(焦点深度拡張型レンズ)、2焦点眼内レンズ、3焦点眼内レンズやハイブリッド型多焦点眼内レンズ(EDOFレンズと2焦点眼内レンズを組み合わせたデザイン)があります。
ただしEDOFレンズは基本的には2焦点眼内レンズと似た構造ですので、2焦点眼内レンズの一種とも言えます。連続焦点型レンズはデザイン的には3焦点眼内レンズに近いコンセプトです。
現在ではEDOFレンズ(焦点深度拡張型レンズ)や2焦点眼内レンズの使用頻度は減少し、3焦点眼内レンズやハイブリッド型多焦点レンズが世界的に主流になっています。
なおハイブリッド型多焦点レンズは連続焦点型眼内レンズとも言う場合もあります。

2焦点眼内レンズの代表的なものはレストア(Acrisof IQ ReSTOR)、アクティブフォーカス(Active Focus)、テクニスマルチフォーカル(TECNIS Multifocal)、レンティス(Lentis、日本未認可)です。EDOFレンズの代表的なものはテクニス・シンフォニー(TECNIS Symfony)やMini Well Ready(ミニウェル・レディー、日本未認可)、3焦点眼内レンズの代表的なものはパンオプティクス(PanOptix)やファインビジョン(FineVision)、ハイブリッド型多焦点レンズ(連続焦点型眼内レンズ)の代表はテクニス・シナジー(TECNIS Synergy)です。

大宮七里眼科では2022年5月現在、日本未認可の眼内レンズは使用していません。現在では日本で認可されている眼内レンズが最も高機能な多焦点眼内レンズです。以前は日本で未認可の眼内レンズの方が高機能だったこともあるのですが、現在では日本未認可の眼内レンズを使う必要はなくなりました。


Q:眼内レンズの種類によって焦点の数が違うのですか?

 

A:そうです。単焦点レンズは、その名の通りピントが合う距離が、遠距離、中間距離、近距離のいずれか1つになります。若い人の目には調節という機能があります。調節をする能力のことを調節力と言います。本体の人間の目は水晶体の屈折力を変えることで様々な距離にピントを合わせています。しかし眼内レンズは、基本的にその調節力がありません。特に保険診療による白内障手術で使用する単焦点眼内レンズではピントを一箇所の距離にしか合わせることができません。自由診療ではなく公的保険が適応されるので、手術費用を安く抑えることができますが、単焦点レンズによる白内障手術では、手術の後に焦点があっていない距離を見るためには必ずメガネが必要になります。

単焦点眼内レンズによる手術の場合には、基本的に遠くにピントを合わせます。したがって手元を見るときには手元用のメガネが必要です。しかし手元のメガネをかけているときには遠くにはピントが合っていないのでぼやけて見えます。したがって手元を見ているときに急に遠くを見なければいけないときには、いちいちメガネを外さなければいけません。
白内障手術が始まった当初はこの単焦点レンズのみしかありませんでしたが、2007年に焦点を遠方と近方の2か所に作ることができる多焦点眼内レンズが国内で認可されました。大宮七里眼科は2008年9月に開業し、すぐに同月から多焦点眼内レンズの使用を開始しました。2022年現在までに4,415件の多焦点眼内レンズを使用した白内障手術を行いました。


Q:多焦点レンズなら複数の距離でピントが合うので、メガネは必要なくなりますか?

 

A:大宮七里眼科でも従来使用していた2焦点の多焦点眼内レンズは、光の屈折や回折の特性を利用して、遠くと近くの2か所に焦点が合うように設計されていました。近くも遠くもはっきり見えるようになるので、術後にメガネを使わなくなる方がほとんどでした。

ただし2焦点レンズは、中間距離にはピントを持ちませんでした。しかし手元のピントと遠くのピントを使って中間距離を見ることができましたので、単焦点眼内レンズよりは中間距離をはっきりと見ることができました。
よって2焦点眼内レンズでも約90%の方はメガネが不要となりました。

中間距離は50センチから1メートルくらいの距離をさします。(ただし医学的には中間距離の明確な定義はありません)例えばお料理をする時の手元やパソコンの画面などまでがちょうどこのくらいの距離になります。車の運転をされる方なら、カーナビの距離です。
日常生活の中で中距離を見ることは意外に多いのです。
よって2焦点眼内レンズを使用した白内障手術の後に、中間距離をよりはっきり見るためのメガネが必要になるケースが、稀ですがありました。

そこで開発されたのがパンオプティクスやファインビジョンなどの3焦点眼内レンズや、連続焦点型眼内レンズのテクニス・シナジーです。
これらのレンズは中間距離にもピントを持ちますので、2焦点眼内レンズよりも中間距離を
はっきりと見ることができます。
どんな多焦点眼内レンズを使った手術でも100%メガネがいらなくなるとは言えませんが、これら3焦点眼内レンズや連続焦点型レンズでは、2焦点眼内レンズよりもさらにメガネが不要になる確率が上がり、手術の後にメガネを作るケースはさらに減りました。


Q:毎日パソコンを使う方に合っている眼内レンズはどれですか?

 

A:遠くと手元だけでなく中距離もはっきり見たいという患者さんのために私がお勧めしてるのは、3焦点の多焦点眼内レンズであるパンオプティクスやハイブリッド型多焦点レンズ(連続焦点型眼内レンズ)であるテクニス・シナジーです。パンオプティクスやテクニス・シナジーは50㎝から60cmの中距離でもしっかりとピントを合わせることができるようになったため、パソコンを長時間使う方でもメガネを使わずに見え、快適な生活が楽しめるようになったと、多くの患者さんに大変喜ばれています。3焦点眼内レンズやハイブリッド型多焦点レンズ(連続焦点型眼内レンズ)は、パソコンを使う作業が多い人を対象として開発されたレンズです。今はシニア世代の方でもインターネットで調べものをしたり、仕事で毎日パソコンを使っている方が増えているので、中間距離の見えやすい眼内レンズのニーズが高かったために、従来の2焦点眼内レンズを改良して開発されたのが3焦点眼内レンズやハイブリッド型多焦点レンズ(連続焦点型眼内レンズ)です。

またパンオプティクスやテクニス・シナジーには、乱視矯正のタイプもあります。乱視とは角膜の表面が歪んでいるために焦点を一点に選べない状態です。白内障と乱視の両方がある患者さんの場合、以前はまず白内障手術を行った後、レーシック手術で乱視を治療していました。患者さんは2回の手術が必要で負担が大きかったのですが、乱視用のパンオプティクスやテクニス・シナジーを使用すれば1回の手術で白内障、近視や遠視、老眼、さらに乱視も治せるようになりました。

さらにこれまでは白内障の手術後、街の明かりや車、オートバイなどのヘッドライトの光のまわりに輪ができてにじむことや、ギラギラして見えることがありました。これをハロー現象やグレア現象と言い、手術の際に2焦点眼内レンズを入れた患者さんに起きやすい症状でした。パンオプティクスやテクニス・シナジーではこういったハローやグレアも少ないと言われています。

患者さんが手術後に希望する理想の見え方を実現するために、眼内レンズは進化しています。白内障手術で入れる眼内レンズは原則として交換せず一生使うことになるので、主治医と相談の上よく比較検討して選んでください。

白内障にはどんな治療法がありますか?

Q:目がかすむようになったので眼科を受診したところ、白内障だと診断されました。これからどんな治療を受けることになるのでしょうか?

 

A:視力がそれほど低下していない白内障の初期には、薬物療法で経過を見ることもあります。

白内障の薬には、点眼薬や内服薬がありますが、よく処方されるのはピレノキシンという点眼薬です。

水晶体の濁りの原因になるタンパク質の変性を防ぐ働きがあると言われている薬で、主な製品名はカタリン、カタリンK、カリーユニなどです。

また不溶性タンパク質ができるのを抑制するグルタチオンという点眼薬もよく使われますが、あくまでも進行を緩やかにする目的で使うもので、毎日点眼していれば視力が回復してよく見えるようになったりまぶしさが改善されるという効果は期待できません。

また白内障や目への効果をうたったサプリメントなども売られていますが、有用な予防法とはいえず、残念ながらそのような生活習慣上の努力で白内障の進行を止めたり水晶体の混濁を回復させることはできません。


Q:そうですか。手術は怖いので、ほかの治療方法はありますか?

 

A:ひと言で言うと、白内障は手術でしか治すことができません。

目の手術というと怖く感じるかもしれませんが、手術方法は確立していますし、レーザーなどの最先端技術の進歩によって、ますます患者さんの負担が少なく、安全性の高い手術になりました。

他の目の病気がなければ特に入院の必要もなく、当院では基本的に日帰り手術です。

遠方からの患者さんの場合は近くのホテルに1週間程滞在していただき、その間に3日程間を開けて両目の手術を行い、その後術後の経過なども確認して帰宅されるようにおすすめしています。

白内障手術で濁った水晶体の代わりに患者さんの目の中に挿入する眼内レンズは、患者さんの目に合わせた度数のものを選ぶので、通常は白内障を治療すると同時に近視や遠視、乱視なども矯正することができます。

眼内レンズには、単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズの2つの種類があります。

単焦点眼内レンズはその名の通り手元から遠くまでのある一点のみがよく見えるレンズなので、ピントが合わない部分については眼鏡が必要になります。

一方で多焦点眼内レンズは、手元から遠くまでの広い範囲でピントが合うので、メガネを使用せずにアクティブな生活を楽しむことができます。

そのため、私のクリニックでおすすめしているのは、この多焦点眼内レンズです。遠くと近くを同時にはっきり見ることができると、より豊かで便利な日常生活を送ることができるようになります。

例えば車を運転中には遠くの信号と近くのカーナビを同時に確認できます。

手元の細かい字もはっきり見えるようになるので、老眼がなかった頃の目に戻ることができます。


Q:手術は、白内障がある程度進行してから受けるので問題ないでしょうか? いまのところ、見え方にそこまで支障があるわけではないのですが……

 

A:「手術はできるだけ避けたい、先延ばしにしたい」という患者さんもいらっしゃいます。

しかしタイミングが遅れて白内障が進行してしまうと、他の目の病気を併発したり、術後の合併症などのリスクも高まり、最悪の場合は失明の恐れもあります。

主治医とよく相談して適切な時期に手術することが大切です。

また「眼内レンズは20年経つと取り替えなければならないので、手術はなるべく高齢になってからの方がいいと聞いたのですが」とおっしゃる患者さんもいらっしゃいます。

しかし手術後眼内レンズが劣化することはありませんし、品質や機能も一生使用する想定で作られています。

何より視力が回復することで、毎日の生活が大きく変わります。

安全な手術をベストなタイミングで受けて、新しい視界を手に入れて人生を楽しんでいただきたいと思います。


Q:手術が必要になる時期は症状でわかりますか?

 

A:一般的には、「日常生活に不便を感じるようになったら手術を」と言われていますが、白内障はゆっくり進むことが多いので、見えにくさが現れても自分では慣れてしまって気づかないこともあります。

左右の目で発症する時期が異なれば、片方の目の見えにくさをもう一方の目が補うので、視力低下は自分では意外にわからないものです。

水晶体が濁って視力が低下する加齢が原因の白内障は、高齢の人ほど多い病気です。

個人差はありますが60歳代頃から症状が出る人が多く、80歳を超えるとほとんどの人が白内障にかかっていると言われています。

どなたでもかかる可能性がある病気ですから、60歳頃になったら特に自覚症状がなくても一度眼科を受診し検査を受けておくと安心でしょう。

また高齢者だけでなく、若い方でも白内障にかかることがあります。例えばアトピー性皮膚炎は強い痒みが続く病気ですが、目のまわりや瞼の上の痒みを抑えるため手でたたくと水晶体へのダメージとなり外傷性の白内障を引き起こすことがあります。

また炎症を抑え痛みや痒みを改善するステロイド剤を長期間大量に服用していると、白内障を発症することがあります。

さらに糖尿病の合併症には糖尿病網膜症がよく知られていますが、高血糖によって進行する糖尿病白内障にも注意が必要です。