「5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)」に関する合併症の情報について

最近、他の少数の眼科クリニックで使用されている「5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)」について、合併症が報告されているようです。
5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)はイスラエル製で、日本国内未認可のレンズです。
日本だけでなく、全世界的ではほとんど使われていません。
しかし日本のごく限られた眼科では使用されているようですが、大宮七里眼科では5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)については安全性および効果が確立されていないため、使用をしていません。(2022年6月現在)

大宮七里眼科が5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)を使用を控えている理由は以下です。

理由1 5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)は合併症のリスクが高いと言われている

5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)は日本国内でごく少数の眼科クリニックしか使用されていませんが、国内の症例で眼内レンズ挿入後の固定位置に関する合併症が頻発していることが報告されているようです。
まだ表立っての報告はないので詳細は不明です。
しかしごく少数の眼科クリニックが少ない症例にしか使用をしていないのにも関わらず合併症が報告されていることは、その率が極めて高いことを意味しています。
過去に他の眼内レンズで固定位置に関する同様の事例があり、5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)に関しても十分にありうる事例だと考えています。
眼内挿入後の固定位置の多くの原因は眼内レンズの材質のためか、その構造によって起こります。
眼内レンズ挿入後の固定位置によって視力が低下するのか、ハローやグレアなどの現象が増えるかなどは不明です。

それに対して、大宮七里眼科で2022年6月現在主に使用している多焦点眼内レンズ(パンオプティクスやテクニス・シナジーなど)は5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)よりもはるかに多い症例数に使用されていますが、そこまで高い合併症は報告されていません。
つまりパンオプティクスやテクニス・シナジーでは眼内レンズの位置異常に関して、5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)よりも頻度が極めて低いことは間違いありません。
従って、5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)は使用するべきではないと考えています。

理由2 5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)は全世界的にほとんど使用されておらず、データがほとんどない。(2022年6月現在)

コロナ感染の影響もあり、5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)は、アメリカ、ヨーロッパではほとんど使用されておりません。
したがって5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)のデータもほとんどありません。
医学論文も少なく、あってもごくわずかな症例数の発表しかありません。
新しい眼内レンズが開発された場合、通常は厳格な治験を行い、慎重に眼内レンズの使用を開始します。
しかし5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)に関しては世界的にはほとんど使用されていないにもかかわらず、日本のごく一部の眼科でのみ使用されているのか実状です。
5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)は日本で治験を行なっておらず、そのため安全性は全く確認されていません。

5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)に実際に5つの距離に焦点を合わせる効果があるのか、あったとしても他の眼内レンズに比較してどのようなメリットがあるのか、デメリットはないのか、それぞれの視力の視力が果たして他の眼内レンズよりも良好なのか、ハローやフレアなどの副作用がどの程度なのか、などわかっていないことだらけです。

眼内レンズは一生目の中に入れておくものなので、材質や製法について、厳格な基準が設けられています。
しかし5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)このような基準に見合った製法なのか、どのような材質なのか、チェックを受けていません。
眼内レンズはごくわずかな材質、製法の違いによって結果に差が出ることがあります。
5焦点眼内レンズ・インテンシティーを製造しているイスラエルの会社「Hanita Lenses」という会社です。
「Hanita Lenses」は5焦点眼内レンズ・インテンシティーしかほぼ出しておらず、この会社の眼内レンズについて使用したことのある眼科医はほぼ皆無です。
従って5焦点眼内レンズ・インテンシティーと同じ材質、製法で作られている他の眼内レンズについても、安全性が確立されていません。
したがって、大宮七里眼科では2022年6月現在、5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)については使用を控えています。

大宮七里眼科は患者様に常に医学的証拠の基づいた医療だけを提供しております。
したがって大宮七里眼科は2022年6月現在、このようなデータの全くない5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)のような眼内レンズを患者様に使用をしない方針としています。

理由3 すでに日本では全焦点型眼内レンズのテクニスシナジーや、日常生活上優れた視力を提供する「自然視覚レンズ」パンオプティクスが国内での認可を受けているため、それらよりも大きく優れる可能性のない5焦点眼内レンズを使用する必要がない。

眼内レンズの焦点は多ければいいわけではありません。
2焦点眼内レンズよりも3焦点眼内レンズの方が見え方も良く、他にもさまざまなメリットがありました。
しかし5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)の方が3焦点よりも優れているデータは現在のところありません。
5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)のデザインはあくまで今までにもあった回折型の多焦点眼内レンズであり、テクニスシナジーやパンオプティクスに比較して格段に見え方が良いという可能性はありません。

理由4 5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)は日本未認可であり、合併症が起こった場合にメーカーが責任を取らない。

5焦点眼内レンズ・インテンシティーは日本未認可レンズです。
未認可ということは、何か重篤な合併症が起こったときにメーカーや輸入会社はその責任を取らない可能性があります。
5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)など、日本国内未認可の医療には気をつけなければいけません。

理由5 「多焦点眼内レンズの焦点の数は多いほどいい」というわけではない。

多焦点眼内レンズ眼内レンズのデザインは、もともと2焦点から始まりました。
しかし2焦点眼内レンズはコンピューター作業などの中間距離において、少し焦点が合いにくい傾向がありました。
それを改善したのが3焦点眼内レンズ(パンオプティクスなど)や、連続焦点型眼内レンズ(テクニス・シナジー)です。
パンオプティクスやシナジーは、手元と中間の日常生活上でよく使う距離に焦点があっています。

多焦点眼内レンズの焦点は、理論上はたくさん焦点距離をもつほど、一つの焦点での視力は落ちます。
5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)がどの距離に合っているにしても、焦点の数が多いということはそれぞれの距離への視力は3焦点眼内レンズよりは落ちる可能性が大です。
また5焦点眼内レンズの焦点距離がどこにあっているのかは詳細不明ですが、仮に日常生活でほとんど使わない距離に焦点があっていたとしたら、日常生活で重要な距離への視力は落ちます。
もし多焦点眼内レンズの焦点数をむやみに増やし、日常生活で使わないような距離に焦点があっていても意味がないということです。

「多焦点眼内レンズの焦点の数は多いほどいい」というわけではないことを知っておいてください。

理由6 5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)はハローやグレアの程度が確認されていない。

多焦点眼内レンズはハローやグレアなどの症状が単焦点眼内レンズよりも起こりやすいと言われています。
焦点の数が多ければ、ハローやグレアが多くなる可能性があります。
5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)について回折構造のリングが多いことから、ハローやグレアなどは従来の眼内レンズよりもひどくなる可能性は十分に考えられます。
しかし5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)はデータがほとんどないため、ハローやグレアについても程度は確認されていません。

以上、5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)について、大宮七里眼科からの意見を書きました。
「焦点は多い方がいいに決まっている」「5焦点眼内レンズ・インテンシティ(INTENSITY)は他の眼内レンズよりも優れている」といったインターネットでの情報に惑わなれないよう、お気をつけください。

大宮七里眼科はフェムトセカンドレーザー白内障手術開始10周年を迎えました

2022年6月、大宮七里眼科はフェムトセカンドレーザー白内障手術を開始して10周年を迎えました!!

2012年6月、山﨑健一朗院長は日本で初めてフェムトセカンドレーザー白内障手術を開始しました。

あれから10年で、大宮七里眼科にて山﨑健一朗院長が手がけたレーザー白内障手術は4,244件以上にのぼります。
日本全国からさいたま市の大宮七里眼科までレーザー白内障手術を受けに来てくださる方も増え、心から感謝しております。

10年前には一般の方はもとより、眼科医の間でもレーザー白内障手術は全く知られておらず、レーザー白内障手術が知られていくのにはたいへん時間がかかりました。
しかしまだまだレーザー白内障手術は広く知られているとは言えず、もっとこの素晴らしい技術が広まることを望んでいます。
日本で広くレーザー白内障手術を知っていただくために山﨑健一朗院長はレーザー白内障手術や多焦点眼内レンズについて著書「人生が変わる白内障手術」にて詳しく説明をしました。
大宮七里眼科・山﨑健一朗院長がレーザー白内障手術の仕組み、メリットを説明しています。
最近目が見にくい、すぐ疲れる、他院で白内障を言われた、などの方々はぜひ山﨑健一朗院長の著書「人生が変わる白内障手術」を読んでフェムトセカンドレーザー白内障手術について知ってください。

第41回「人生が変わる白内障手術・第2版」出版記念セミナーを開催いたしました

梅雨のお足元が悪い中、セミナーにご参加いただいた方々には感謝申し上げます。
当院の専門とする多焦点眼内レンズは白内障治療でもありますが、まさに老眼治療です。
白内障と言われたことはないけれど老眼に困っている、メガネやコンタクトをして遠くは見えるけど、最近手元が見えにくい。遠くはメガネをかけないと見えないが逆に手元はメガネを外さないと見えない。などの症状はまさに老眼です。白内障は50代の約半分が発症していると言われています。白内障は高齢者の病気と感じている方も多いかと思いますが、実はごく初期の場合は症状を感じにくく、身近なものなのです。自覚はないけれど、眼科を受診してみると白内障を指摘され、びっくりされる方も珍しくはありません。
毎日頑張って目を使い、目の疲れを実感している方はぜひ一度眼科の受診をおすすめします。
老眼は我慢するものではなく、治療出来る時代です。より快適で効率の良い生活を過ごすためにも我慢は不要です。

次回42回目のセミナーとなります。日程は2カ月後の2022年8月17日の予定をしています。

第41回「人生が変わる白内障手術」出版記念セミナー
講演者 大宮七里眼科院長・山﨑健一朗
日時 2022年8月17日(水) 午後2時30分から1時間程度
場所 大宮七里眼科 (埼玉県さいたま市見沼区風渡野1-1-1)

ご参加に関しては完全予約制になりなすので幻冬舎へご連絡下さい。
予約電話番号03-5411-6440

多焦点眼内レンズを入れる白内障手術で、後悔しないために注意することはありますか?

Q:白内障手術の後に後悔しないために、術前に知っておいた方がいいこと、注意点などがあったら教えてください。

A: 注意点はいくつかありますが、まず眼内レンズの特徴を理解しておく必要があります。
眼内レンズには、遠距離、中間距離、近距離のいずれか一定の範囲にだけピントが合う単焦点眼内レンズと上記3つの範囲にピントが合う多焦点眼内レンズがあります。
中間距離とは目の前から70〜100センチくらいの位置で、この範囲にピントが合うと、日常生活はさらに快適になります。
具体的には例えばパソコンで仕事をしている時のことを考えてみましょう。
手元の書類の位置は近距離ですが、パソコンのモニターは中間距離になります。
中間距離にピントが合っていないと、手元の書類は見えてもパソコン画面がぼやけてしまい確認できないので、ご不便だと思います。
趣味でピアノを弾く方の場合も鍵盤は近距離ですか、譜面台は中間距離なので、やはり両方見えないと困りますよね。
3焦点の多焦点眼内レンズなら、運転しているときも遠くの標識と中間距離のカーナビの両方にピントが合います。
眼内レンズにもさまざまな種類があり、特に単焦点か3焦点かで術後の見え方が変わってくるのでご自身のライフスタイルを考えながら検討していただきたいと思います。


Q: では白内障手術を受ける病院はどんな基準で選べばいいでしょうか?

A:多焦点眼内レンズの手術は、単焦点眼内レンズの場合とは違うので、多焦点眼内レンズの手術実績が多い病院を選んでください。
また多焦点眼内レンズの手術をいつ頃から行っているかも確かめましょう。
長年多焦点眼内レンズの手術を行ってきた症例数の多い病院なら、眼内レンズについての知識も豊富なので、その患者さまに最も合った眼内レンズを提案してくれるでしょう。
また多焦点眼内レンズを入れる場合には、手術方法についても確認する必要があります。


Q:多焦点眼内レンズによる白内障手術にはどんな手術方法があるのですか。

A:医師の手技によるマニュアル手術と、レーザー手術がありますが、多焦点眼内レンズにはレーザー手術がおすすめです。
以前は白内障手術というと単焦点眼内レンズを医師の手技による手術で入れることが一般的でした。
しかし、多焦点眼内レンズは外から入ってくる光を振り分けることで複数の範囲にピントが合う構造のため、単焦点眼内レンズよりも複雑な仕組みになっています。
そのため多焦点眼内レンズはレンズを眼内の正しい位置に固定することが重要です。
医師の手技による手術ではこの大事な過程も医師の目測や経験値に頼ることになります。
レーザー白内障手術なら多焦点眼内レンズを正確な位置に固定しやすくなるため、多焦点眼内レンズの良さを最大限に発揮することができます。
また濁った水晶体を取り出して眼内レンズを挿入する部分も、マニュアル手術の場合は医師が金属のメスで角膜を切開しますが、レーザー手術の場合は、メスの代わりにレーザーで切開するので基本的にメスは使いません。
レーザーを短時間で照射することで精密で正確な切開が可能です。
また、水晶体をレーザーで分割することにより、角膜組織への負担を軽減することができます。
多焦点眼内レンズを入れる白内障手術は、レーザー手術を行っている病院で受けることをおすすめします。


Q:白内障手術で多焦点眼内レンズを入れて後悔したという患者さまはいませんでしたか?

A:基本的にはいませんが、まれに「若い頃と同じように見えると思っていた」という患者さまはいらっしゃいます。
水晶体が膨らんだり薄くなったりしてピントが合っていた白内障になる前の見え方と複数の範囲にピントが合うように設計されている多焦点眼内レンズの見え方は、全く同じというわけではありません。
また術後すぐは、まぶしさや違和感などを感じることもありますが、それが後悔に繋がる方はいらっしゃいません。
時間が経つと慣れていき、3か月程経つと気にならないレベルになるので、時間が解決してくれます。
白内障手術は患者さまが新しい目を手に入れる手術です。
新しい目を手に入れたことにより、行動範囲が広がった、趣味が増えた、楽しみが増えた、新しい人生を手に入れたなど、喜びの声が多く寄せられています。
どうぞお気軽にご相談ください。

ドライアイなのですが、白内障手術で多焦点眼内レンズを入れることはできますか?

Q:他に目の病気があると白内障手術で多焦点眼内レンズを入れられないケースがあると聞きました。
ドライアイなのですが、多焦点眼内レンズを選ぶことはできますか?
ドライアイの場合、白内障手術で注意することはありますか?

A:パソコンやスマートフォンなどの影響もあり、ドライアイの方が増えていますが、白内障手術を受けることはもちろん多焦点眼内レンズを入れることも問題はありません。
当院にもドライアイと白内障手術について心配される患者さまは多数受診されますが、ご安心くださいとお話ししています。


Q:白内障手術後にドライアイが悪化することはありませんか?

A:現在は効果的な点眼薬があるので、白内障手術後にドライアイが重症化するようなことはほとんどありません。
以前は、白内障手術後に一時的にドライアイになることもありました。
また手術前からドライアイの方は、症状がやや悪化する方もまれにいらっしゃいました。
これは手術中に使用する点眼麻酔や消毒薬、手術中の角膜の乾燥、さらに術後に使用する点眼薬による影響と言われていましたが、今は、手術時間の短縮、手術による目への負担が減ったこと、ドライアイの点眼薬が進歩したことで改善することができました。
もし白内障手術を受けてからドライアイの症状が出るようなら、手術や多焦点眼内レンズが直接の原因ではなく、よく見えるようになったため目を使う時間が増えたことに関係している可能性も考えられます。
白内障手術で多焦点眼内レンズを入れると、遠くだけでなく近くも老眼鏡なしではっきり見えるようになります。
そのため術前よりもスマートフォンなどを見る時間が長くなる方が多いです。
また3焦点の多焦点眼内レンズを入れると、遠くと近くだけでなく中間距離もよく見えるようになります。
これがちょうどパソコンのディスプレイ画面の位置なので、パソコンをよく使う方からは便利になったと喜ばれるのですが、どうしてもパソコンの画面を見る時間が増えます。
このようなライフスタイルの変化がドライアイに関係しているのかもしれません。


Q:目の使い過ぎがドライアイにつながるのですね。ドライアイの症状を改善するために気をつけることはありますか?

 

A:眼科医の指示にしたがってドライアイ用の点眼薬をきちんと使うこと、そして目の酷使を避けることです。
ドライアイの原因は2つあって、涙液の量が減少したことと涙液の質が悪くなることです。
ドライアイの治療薬は、涙液を目の表面にとどめる働きがあるムチンという成分が水分を増やす働きがあるので、点眼すると涙の質を改善し、涙の量が増加します。
最近では涙液の量はそれほど減少していないのに、まばたきの回数が少なくなっている方や涙液の質が悪くなっている方が増えています。
まばたきの回数に関係が深いのはパソコンやスマートフォンの長時間におよぶ使用です。
パソコンやスマートフォンなどの画面を集中して見続けると、まばたきが減ります。
一般的に人間は2~3秒に1回まばたきをするのですが、パソコンやスマートフォンを使用しているときは10秒に1回程度まで減ってしまうと言われています。
まばたきには涙液の量を増やすだけでなく、涙を角膜全体になじませる役割もあります。
ですから、まばたきが減るとドライアイを引き起こしやすくなります。
パソコンやスマートフォンを長時間連続して使用しないように注意し、30分に1回、5~10分程度目を休ませるようにしましょう。
また涙の中の脂分が不足すると水分が蒸発しやすくなり涙液の質が悪くなります。
そのために起きるドライアイに関しては、近年ジクアスやムコスタなどのよい治療薬が登場しています。
その他、部屋の乾燥やコンタクトレンズもドライアイの原因になることがあります。
加湿器などを利用して室内の湿度を保つようにしてください。


Q:最近若い人にドライアイが増えているのは、パソコンやタブレット、スマートフォンなどの影響が大きいのですね。目を酷使してドライアイになっていると、将来白内障にかかりやすくなることはありますか?

 

A:ドライアイと白内障には直接の関係はありません。
ドライアイの方が増えたことによる白内障の患者さまの増加や、白内障の発症年齢の低下などの報告もありません。
当院を受診するドライアイの患者さまからも「私は将来白内障になりやすいのでしょうか」と質問されることがときどきありますが、白内障の原因は加齢による水晶体の濁りですから、ドライアイの影響は心配しなくて大丈夫です。
ただし、ドライアイと白内障の関係性を考えると、悪い相乗効果で見え方が悪くなります。
白内障なら白内障手術を積極的におすすめしますし、ドライアイはきちんと治療し、ドライアイを起こしにくいライフスタイルを心がけることが、目の健康を考えるうえでは非常に重要になると思います。

白内障手術で多焦点眼内レンズが向かない人はいますか?


Q:多焦点眼内レンズは、遠くも近くも見えるようになりメガネ不要の生活を送れるなどメリットの多いレンズだと聞きました。
しかし、向かない人もいるのでしょうか?
希望しても多焦点眼内レンズが適用にならない場合もありますか?

A:当院でも多焦点眼内レンズを希望されても、おすすめしない患者さまはいます。
他の目の病気がある方です。
目の病気ですが、糖尿病網膜症や加齢黄斑変性などで網膜に病変がある方、進行した緑内障の方には多焦点眼内レンズではなく単焦点眼内レンズをおすすめすることがあります。
これらの疾患があると、コントラスト感度が低下します。
コントラストとは明暗の対比のことで、コントラスト感度の低下により、暗い場所で手元が見えにくくなることです。
こういった状態の目の患者さまに多焦点眼内レンズを入れてもレンズのメリットが生かされない可能性があります。
しかし疾患の進行の程度によっては多焦点眼内レンズが適応になるケースもあるので、眼科医にご相談ください。
また強い不正乱視がある場合も、多焦点眼内レンズをおすすめしないことがあります。
乱視とは、角膜の歪みにより物を見るときに焦点が1か所に集まらない状態のことです。
乱視には角膜の歪みが規則的である正乱視と不規則な不正乱視があり、大多数は正乱視です。
正乱視は乱視矯正ができるタイプの多焦点眼内レンズを入れれば、白内障と一緒に乱視も治療することができます。
重症の円錐角膜の場合には強い不正乱視になるため、多焦点眼内レンズをおすすめしない場合があります。


Q:白内障手術の前には、他に目の病気がないか精密検査を受ける必要がありますね。
では多焦点眼内レンズが向かない仕事とはどんな職業ですか?

A:多焦点眼内レンズによる白内障手術の直後は、夜間、街の明かりや車、オートバイなどのヘッドライトのまわりに光の輪やにじみが見えることがあります。
これらはハロー、グレア現象というのですが、単焦点眼内レンズより多焦点眼内レンズで起こりやすい傾向です。
しかし、ハローやグレアは時間の経過とともに気にならないレベルまで改善されることが多いです。
また、ハローやグレアが起こりにくい工夫をされた多焦点眼内レンズも登場していますので、運転するから多焦点眼内レンズはだめと決めずに、眼科医に相談することをおすすめします。
夜間を専門で走るタクシードライバーを20名以上、多焦点眼内レンズの手術をしましたが、ハロー、グレアは大きな問題にはなっていません。
むしろ遠くと近くに加えて、ちょうどカーナビの位置にピントが合う3焦点の多焦点眼内レンズは運転もしやすくなります。
眼内レンズの特徴をよく比較したうえで、多焦点眼内レンズを入れるか単焦点眼内レンズを選ぶか決めていただくことをおすすめします。


Q:他にも多焦点眼内レンズが向かない仕事はありますか?

A:ありません。
白内障になるとコントラスト感度が下がって微妙な色の違いが見分けにくくなるため、色の見極めが必要な職業の方には、積極的におすすめします。


Q:見え方の希望が合わないのはどういう場合ですか?

A:複数の距離にピントが合う多焦点眼内レンズを入れると術前に比べて見え方は大きく改善しますが、水晶体を調節して物を見ていた白内障になる前の見え方と全く同じというわけではありません。
若い頃と同じ目に戻るわけではないことをご理解いただきたいと思います。
また術後すぐはまぶしさや見えにくさなどを感じる場合もあります。
白内障手術で入れる眼内レンズは、患者さまの目の状態やライフスタイル、職業、見え方のご希望などをよく検討したうえで選ぶ必要があります。
当院では患者さまお一人おひとりに最も合った眼内レンズをご提案していますので、どうぞお気軽にご相談ください。

多焦点眼内レンズは、慣れるまでどのくらいかかりますか?

Q:白内障の手術を受けることになりました。
メガネが必要なくなると聞いて、多焦点眼内レンズを入れようと思っているのですが、多焦点眼内レンズは単焦点レンズと比べて違和感を感じやすいという話もあり、不安です。
白内障手術後、時間が経てば慣れてくるのでしょうか。
慣れるまでにはどのくらいかかりますか?

A:白内障手術後、眼内レンズの見え方に慣れるまでの期間は個人差がありますが、数週間から数か月で慣れる方がほとんどです。
眼内レンズを入れた直後にやや見えにくい感じがするのは、物を見るプロセスは目だけではなく脳が深く関わっているからです。
目から入った信号は視神経を通って脳で情報処理します。
白内障の患者さまの場合、手術を受けるまでは、濁った水晶体ごしにものを見ていることに脳が慣れていました。
それが手術で濁った水晶体を眼内レンズに変えたのですから、脳に届く情報は大きく変わります。
多焦点眼内レンズは単焦点眼内レンズに比べて慣れに多少時間がかかります。
脳はその新しい情報に慣れるまでどうしても時間が必要になります。
見え方に違和感があっても、時間が解決してくれることが大半なのでご安心してください。
むしろ多焦点眼内レンズが高機能であるために単焦点眼内レンズよりも慣れるのに少し時間がかかるのです。


Q:脳が慣れれば見えにくさはなくなるのですね。
違和感が改善されれば、若い頃と同じように見えるようになりますか?

A:術後の見え方の感じ方は患者さまによって個人差はありますが、白内障になる前と全く同じというわけではありません。
目の中でレンズの役割を果たしている水晶体は、薄くなったり厚くなったりすることで、近くや遠くにピントを合わせています。
多焦点眼内レンズは水晶体のように屈折力を変えるわけではありません。
3焦点眼内レンズの場合は遠くと近くと中間地点の3か所に、目に入ってきた光を振り分けてピントが合うようになっています。
水晶体と多焦点眼内レンズでは、ピントの振り分け方が違うので、それに慣れる時間が必要です。
しかし、術後すぐはこの見え方が気になっていた患者さまでも、次第に慣れることが大多数です。
見え方の違和感はほとんどなくなります。


Q:多焦点眼内レンズは夜間、単焦点眼内レンズに比べると見えにくいとも聞いたことがあるのですが、これもだんだん慣れるのでしょうか?

A:多焦点眼内レンズといえども、暗い場所で手元の文字は慣れに時間がかかります。
また多焦点眼内レンズによる手術の直後は、夜間にハローやグレアという現象が起きることがあります。
ハローとは光のまわりに光の輪がかかったように見える現象で、グレアは光がにじんで見えることです。
多焦点眼内レンズは単焦点レンズよりもハローやグレアをやや感じやすい傾向がありますが、白内障手術後時間の経過とともに軽減し、気にならなくなることが一般的です。
仕事で夜間の運転が多い方などは術後数か月ご不便を感じる場合もありますが、生活や仕事に大きな影響が出る患者さまはほとんどいらっしゃいません。
さらに当院で多くの患者さまの手術に使用している3焦点の多焦点眼内レンズ「パンオプティクス」と連続焦点型多焦点眼内レンズ「テクニスシナジー」は、ハローやグレアなども軽減されています。


Q:違和感や見えにくさがなくなれば、視力も変わりますか?

A:私がこれまでに行った4000件以上の多焦点眼内レンズの患者さまの中には、白内障手術直後よりも3か月~半年後の方が、見え方が改善する場合があります。
特に時間の経過とともに手元を見るときの視力がよくなってきます。
目から脳への情報伝達は、最初はたくさんの神経細胞を通り遠回りしてしまうのですが、慣れると近道ができるので脳に届くのが早くなって、より見えやすくなるのです。
また多焦点眼内レンズは、白内障の治療と同時に近視や老眼も治すことができます。
乱視用のトーリックレンズもありますから、乱視の改善も可能です。
日常生活の中でメガネはほぼ必要なくなりますから、患者さまの満足度は非常に高いです。
仕事に趣味にとアクティブな生活を送れるようになり、多焦点眼内レンズによる白内障手術を受けて人生が変わったとおっしゃる患者さまは少なくありません。
当院では患者さまお一人おひとりの目の状態やライフスタイル、見え方のご希望などに合わせてアドバイスしています。
どうぞお気軽にご相談ください。

片目だけ多焦点眼内レンズを入れることはできませんか

Q:片方の目だけ白内障になりました。片目だけ白内障手術を受けて、多焦点眼内レンズを入れることはできますか?

A:片目だけ濁った水晶体を取り除いて多焦点眼内レンズを入れる手術自体は可能です。

しかし特殊な場合を除いて、多焦点眼内レンズは両目に使用することをおすすめします。


Q:白内障になっているのは片目だけなのに、なぜ両目とも手術して多焦点眼内レンズを入れる必要があるのですか?

A:実際に診療してみると、もう片方の目も白内障になっていることが多いです。

白内障には60代の約6割、80代になればほぼ全員が罹患すると言われ、50歳以上ならいつ発症しても不思議ではありません。

片目ずつ見え方を確認してみると、「見えにくいのは片方だけだから」とおっしゃる患者さまもいらっしゃいます。

しかし白内障はゆっくりと進行します。

若い頃どのくらい見えたかは皆さん忘れていますから、見えていると思っている方の目の視力もかなり落ちていることが多いです。

つまり自分では片目だけ見えにくいと思っていても、中高年は両目とも白内障になっている可能性が高いです。

片目だけ白内障が進んでいても、日常生活に支障は出ていないケースは非常に多いです。


Q:はい。今はそれほど困っていることはありませんが、山﨑院長は、今後どうなると予想されますか?

A:今は見え方のいい方の目がもう一方をカバーしている状態と考えられます。

しかしその目の視力が落ちてくるとカバーしきれなくなるため、急にぼやけて見えにくくなるという自覚症状が出る可能性があります。

白内障の進行は一人ひとり違いますが、左右の目で進み方に差がある患者さまも多いです。

片目の白内障が進んで視力が大きく低下していても自覚症状がなく、日常生活が普通におくれている場合もあります。

物が見えるのは目で得た光の信号が、脳に送られ情報として認識される仕組みです。

通常は両方の目から送られてくる情報が統合されています。

しかし片目が見えにくい場合は、見えている目の情報だけで処理されます。

この時、本人は片目だけの情報だという自覚はありません。

ですから、片方の目がよく見えなくても違和感なく日常生活が送れるのです。

このように視力が落ちていない方の目でカバーされると、もう一方の目の白内障が進行していてもなかなか気づかないこともあります。

自覚症状もないうちにかなり重症の白内障になっていることも少なくありませんから、60歳を過ぎたらすべての方に眼科を受診して白内障検診を受けるようにおすすめしています。


Q:片目だけ白内障が発症することもありますか?

A:高齢者に比べれば少ないのですが、外傷、全身性疾患、あるいは原因不明の要因で若い世代で片目だけ白内障を発症する場合があります。

白内障が進行している目だけ、多焦点眼内レンズを入れる手術を行うこともできます。

3焦点の眼内レンズを若い人におすすめします。

3焦点の眼内レンズを入れた場合なら、遠方と手元と中間距離にピントが合うようになりますので、手術しない方の目と違和感がほとんどありません。

手術してない目の状態に合わせてコンタクトレンズやメガネを使用することは可能です。

手術していない眼が老眼鏡を使う必要がある方は、老眼も治りますから、もう片目も多少点眼内レンズを入れる手術をした方がよいと思います。

まだまだ老眼になっていない若い世代はもう片目を手術する必要なないです。


Q:私の場合は年齢的に両方の目の手術を検討した方がよさそうです。
両目の場合、手術はどんなスケジュールで行うのでしょうか?

A:両目の手術は基本的に同時期に行うことが望ましいです。

当院では、全ての白内障手術を日帰りで行っていますが、合併症などが起きていないことを十分に確認するため、両目の手術は通常3日程空けています。

遠方から来られる患者さまには、クリニック近くのホテルに1週間程滞在していただき、両目の手術と術後の経過観察を行っています。

白内障手術は、その方の目の状態によって適切な時期が違います。

専門医に相談のうえ、ご自身に最もあった手術の時期を選んでください。

6月15日・第41回・著書「人生が変わる白内障手術」出版記念セミナーのお知らせ

好評を得ております山﨑健一朗院長による「人生が変わる白内障手術」出版記念セミナーを6月15日(水) に開催いたします。
山﨑健一朗院長によるこのセミナーも、おかげさまで今回で41回となります。
毎回、情報を追加し、内容を改訂して、参加者の皆様によりわかりやすくフェムトセカンドレーザー白内障手術や多焦点眼内レンズを使った白内障手術について説明します。
参加費は無料ですが完全予約制ですので、参加希望者の方は幻冬舎までご連絡ください。コロナ対策のため、参加人数を制限させていただいております。 ご希望の方はお早めに申し込みください。
なお、セミナー当日も診察をおこなっております。診察をご希望の方は保険証をお持ちになり、受付をしてください。セミナー終了後は大変混雑しますので、午前中に受診することをお勧めします。
日程 : 2022年6月15日(水)午後2時30分より
場所 : 大宮七里眼科(埼玉県さいたま市)
問い合わせ先: 幻冬舎
予約電話番号: 03-5411-6440
メールアドレス:gmc_seminar@gentosha.co.jp
(※コロナウイルス感染症の状況によっては中止する可能性がございます。)