「人生が変わる白内障手術」は2017年2月1日に発売された私の初めての著書です。
日常の診療、手術、海外を含めた学会発表の合間に少しずつ原稿を書いたため、この本を書き上げるのに1年10ヶ月もかかってしまいました。その分、内容は満足のいくものとなりました。おかげさまで大きな反響を得ることができ、7回の増刷を経て合計23,000部を発刊することができました。
日進月歩の白内障手術技術、多焦点眼内レンズの進歩について加筆をして、2020年3月1日に「人生が変わる白内障手術・第2版」を出版しました。だいぶ新しい記事を書いたことで新たな本として出版することも考えました。
しかし日本を代表する詩人である谷川俊太郎さんに相談したところ、「山﨑さんの本は売れてるのだから、第2版として出版すべきだ」とアドバイスいただき、そうすることにしました。
谷川俊太郎さんの名前はみなさんがご存知と思います。文学には疎い私ですら、教科書で谷川さんの詩を勉強したことは覚えています。谷川さんは私の本をAmazonで見つけて、電子書籍でお読みいただき(なんと当時86歳です)、私のクリニックを訪れました。谷川さんにはその後、私が両眼のレーザー白内障手術を行い、多焦点眼内レンズを使用しました。
私は読者に誤解なくレーザー白内障手術や多焦点眼内レンズについての科学的事実が伝わるよう、なるべくわかりやすい表現で書きました。谷川俊太郎さんは、間違いなく日本を代表する日本語の使い手の方です。その谷川さんが私の本をお読みになって来院されたこと、心から感激しました。
この本は白内障手術という科学についての解説書です。私が考えていること、感じていることをそのまま読者に伝えるために、あえて難しい表現は使わずに私の言葉で書きました。
しかしそのようなストレートな表現によって、かえって谷川さんのような日本を代表する詩人の方にも私の考えがうまく伝わったのかなと自負しています。
初めての著書の執筆で慣れないことも多く、実際にはたくさんの原稿を書きました。しかし原稿全てを本にすると3倍くらいの厚さになってしまうため、不要な部分を削除することで編集をしました。
私は2012年6月に日本で初めてフェムトレーザー白内障手術に成功しました。あれから8年が経ちますが、まだまだレーザー白内障手術は日本では普及せず、一般的には全く知られていません。
また、老眼は誰でも起こる目の調節力の加齢による低下です。人類の歴史上、老眼を治療することはできませんでしたが多焦点眼内レンズによって老眼を治療することができるようになりました。しかしそれも一般的には全く知られていません。
白内障手術は年間に約130万件行われていますが、そのほとんどは最先端の方法ではない、従来型の古い方式の保険診療の手術で行われています。
しかし手術を受ける患者さんの大半が、これら最先端の白内障手術を受ける選択肢があったことを知らずに、従来型の古い方式の手術で終えてしまっています。経済大国日本でこのようなことが起こっていることは、私はとても憂うべき事実だと思っています。
私がこの本を執筆しようと思った理由は、日本でほとんど知られていない最先端の白内障手術技術、特に多焦点眼内レンズやフェムトセカンドレーザー白内障手術について、白内障手術を受ける前の皆さんに知っていただきたいと考えたからです。
あえてインターネットだけでなく本を出版したのは、山﨑健一朗と言う人間にその責任があることをお示ししたかったからです。インターネットには真偽のはっきりしない情報が溢れ、そのほとんどが文章の真偽の責任の所在がはっきりしません。読み手は真偽がはっきりしないことを前提に読むため、半信半疑で読むことになります。その意味では著書の方が読者からの信用性が高いと考えました。
この本を見つけてくれた皆さんが、最先端の白内障手術について正しい知識を持ち、日本でレーザー白内障手術や多焦点眼内レンズが一般的に知られるようになることを心から願っています。
大宮七里眼科の山﨑健一朗院長の著書『人生が変わる白内障手術』第2版が2020年3月3日に発売され全国の書店、Amazonにて発売中です。
白内障手術で老眼や近視が治る 日本で初めてフェムトセカンドレーザー白内障手術に成功 大宮七里眼科・山﨑健一朗院長が最先端の白内障手術の効果を徹底解説
当院院長である山崎健一朗の著書「人生が変わる白内障手術・第2版」の発売に伴い1ヶ月~2ヶ月に1回、当院にて出版記念セミナーを行っております。
ありがたいことに開催するたびにご好評をいただき、今では35回を超えております。(2021年7月現在)
本の内容はもちろんのこと、手術を受ける際にあった質問や術後の感想等も紹介しておりますので、少しでもあなたの選択肢が増えるようご興味のある方はぜひご参加ください。