ドライアイなのですが、白内障手術で多焦点眼内レンズを入れることはできますか?

Q:他に目の病気があると白内障手術で多焦点眼内レンズを入れられないケースがあると聞きました。
ドライアイなのですが、多焦点眼内レンズを選ぶことはできますか?
ドライアイの場合、白内障手術で注意することはありますか?

A:パソコンやスマートフォンなどの影響もあり、ドライアイの方が増えていますが、白内障手術を受けることはもちろん多焦点眼内レンズを入れることも問題はありません。
当院にもドライアイと白内障手術について心配される患者さまは多数受診されますが、ご安心くださいとお話ししています。


Q:白内障手術後にドライアイが悪化することはありませんか?

A:現在は効果的な点眼薬があるので、白内障手術後にドライアイが重症化するようなことはほとんどありません。
以前は、白内障手術後に一時的にドライアイになることもありました。
また手術前からドライアイの方は、症状がやや悪化する方もまれにいらっしゃいました。
これは手術中に使用する点眼麻酔や消毒薬、手術中の角膜の乾燥、さらに術後に使用する点眼薬による影響と言われていましたが、今は、手術時間の短縮、手術による目への負担が減ったこと、ドライアイの点眼薬が進歩したことで改善することができました。
もし白内障手術を受けてからドライアイの症状が出るようなら、手術や多焦点眼内レンズが直接の原因ではなく、よく見えるようになったため目を使う時間が増えたことに関係している可能性も考えられます。
白内障手術で多焦点眼内レンズを入れると、遠くだけでなく近くも老眼鏡なしではっきり見えるようになります。
そのため術前よりもスマートフォンなどを見る時間が長くなる方が多いです。
また3焦点の多焦点眼内レンズを入れると、遠くと近くだけでなく中間距離もよく見えるようになります。
これがちょうどパソコンのディスプレイ画面の位置なので、パソコンをよく使う方からは便利になったと喜ばれるのですが、どうしてもパソコンの画面を見る時間が増えます。
このようなライフスタイルの変化がドライアイに関係しているのかもしれません。


Q:目の使い過ぎがドライアイにつながるのですね。ドライアイの症状を改善するために気をつけることはありますか?

 

A:眼科医の指示にしたがってドライアイ用の点眼薬をきちんと使うこと、そして目の酷使を避けることです。
ドライアイの原因は2つあって、涙液の量が減少したことと涙液の質が悪くなることです。
ドライアイの治療薬は、涙液を目の表面にとどめる働きがあるムチンという成分が水分を増やす働きがあるので、点眼すると涙の質を改善し、涙の量が増加します。
最近では涙液の量はそれほど減少していないのに、まばたきの回数が少なくなっている方や涙液の質が悪くなっている方が増えています。
まばたきの回数に関係が深いのはパソコンやスマートフォンの長時間におよぶ使用です。
パソコンやスマートフォンなどの画面を集中して見続けると、まばたきが減ります。
一般的に人間は2~3秒に1回まばたきをするのですが、パソコンやスマートフォンを使用しているときは10秒に1回程度まで減ってしまうと言われています。
まばたきには涙液の量を増やすだけでなく、涙を角膜全体になじませる役割もあります。
ですから、まばたきが減るとドライアイを引き起こしやすくなります。
パソコンやスマートフォンを長時間連続して使用しないように注意し、30分に1回、5~10分程度目を休ませるようにしましょう。
また涙の中の脂分が不足すると水分が蒸発しやすくなり涙液の質が悪くなります。
そのために起きるドライアイに関しては、近年ジクアスやムコスタなどのよい治療薬が登場しています。
その他、部屋の乾燥やコンタクトレンズもドライアイの原因になることがあります。
加湿器などを利用して室内の湿度を保つようにしてください。


Q:最近若い人にドライアイが増えているのは、パソコンやタブレット、スマートフォンなどの影響が大きいのですね。目を酷使してドライアイになっていると、将来白内障にかかりやすくなることはありますか?

 

A:ドライアイと白内障には直接の関係はありません。
ドライアイの方が増えたことによる白内障の患者さまの増加や、白内障の発症年齢の低下などの報告もありません。
当院を受診するドライアイの患者さまからも「私は将来白内障になりやすいのでしょうか」と質問されることがときどきありますが、白内障の原因は加齢による水晶体の濁りですから、ドライアイの影響は心配しなくて大丈夫です。
ただし、ドライアイと白内障の関係性を考えると、悪い相乗効果で見え方が悪くなります。
白内障なら白内障手術を積極的におすすめしますし、ドライアイはきちんと治療し、ドライアイを起こしにくいライフスタイルを心がけることが、目の健康を考えるうえでは非常に重要になると思います。